Scenes of New Habitations

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住むの風景

Project

四十年目の都市

都心の夢

東京は、これまで成長し続ける都市モデルに合わせて、飽きずに開発を繰り返してきた。一般的なビルの寿命は約40~50年。ちょうど今寿命を迎えつつある建物は、高度経済成長期を経て、バブル前夜の頃にできたことになる。

つまり、これまで通りならば、四十歳過ぎの私たちが幼い頃に見ていた風景が、そろそろ消えていく時期になる。巨大再開発の対象になる超都心部や、フォトジェニックな保存したい街並みではなく、単に目を向けられてこなかった風景は、このまま消えていくのだろうか。そう思って、歳が近い人たちで、東京と聞いて思い出す、記憶に長く留まっている風景を歩いてみることにした。

リサーチャーのひとりである小説家の温又柔さんは、3歳のときに台湾から日本へ家族で移り、東京で育ち、今も住んでいる。当たり前だが、日本にいる外国人と一口に言っても、勉強や出稼ぎのために一時的に滞在する人もいれば、長く住み続ける人もいる。東京に長く——ほぼ四十年——住む、外国人の温さんは、今の東京をどんなふうに見るのだろう?

それがこのリサーチの出発点となった。

Research